■来賓ご挨拶
   松江北高校校長 泉 雄二郎(高26・理5)


皆様、こんにちは。
皆様にお目にかかるのは三回目になります。どうぞよろしくお願い申しあげます。
ただ今までのお話にもありましたように、11月12日(土)には松江北高校創立140周年記念式典が300名を超える多数の同窓皆様にご臨席賜わり、盛大におこなわれましたことを、まずもってご報告申しあげます。近畿からも沢山の皆様にお出かけをいただきました。有り難うございました。

「礎 〜先駆者よ、回せ歴史の歯車を
鳴らせ未来への汽笛を」
これは本年度の学園祭で生徒たちが掲げたテーマです。現1年生が新制高校70期生です。旧制松江中学の歴史が70年ですので、140周年ということは、旧制の歴史に新制の歴史が漸く追いついたことになります。
「今、私たちは転換点に立っている。次の70年へ、来るべき未来へ、一歩踏み出そう。」というのが生徒たちの意気込みです。

本日は放送部が作成しましたビデオで、体育系、文化系、それぞれ本年度日本一になった生徒を紹介いたします。また音楽各部が合同で奏でます生徒が作成した校歌の140周年記念バージョンもお聞きいただくことにいたしました。
彼らのこの姿を通して、今、赤山の地に流れている「風」、「空気」を感じとっていただければ幸いでございます。

明治40年に松江中学校第18代校長の西村房太郎先生が定められました「質実剛健」の校訓は、不易流行を踏まえつつ時代に応じた解釈が必要であります。
「質」は内面を高めること、「実」は社会に貢献する行動力、「剛健」は困難に向かうタフネスさ、であろうと考えております。
後ほど、清原兵庫県立大学学長のご講演にもあろうかと思いますが、今後、教育は大きく変わってまいります。変わろうとしております。
知識の習得を徹底することの上に、「何ができる」ようになるのか。主体性、協働性、創造性を培うための質的転換をめざして、「社会に開かれた教育課程の構築」が強調される時代であります。
この方向性は、先ほど申しあげました質実剛健の解釈と合致すると考えております。

「社会総ぐるみで教育を行う」・・・、これはできそうでいて、実行はなかなか困難である指針が示されています。この取り組みには、我々が、教育を受け終えた大人が、教育にコミットすることが必要になってきていると考えております。
「何のため」にか。一つは、生徒のためではありますが、私が現場にいて感じておりますことは、教員の意識がまだまだ時代についていっていないということでございます。
是非、諸先輩皆様にはアドバイスをいただきたいと思っております。皆様には、人生の中で得られた知恵、あるいは人生観を我々に授けていただきたいと思っております。
「それでは、母校に行って何か話してやろうか」という方がいらっしゃいましたら、いつでも教室の扉を開きますので、どうぞよろしくお願いいたします。

140周年を期して皆様にお願いいたしました「世界の人たれ!北高生基金」には、現時点で500万円に近い浄財を積み上げていただきました。今後、社会、あるいは世界に視野を広げていく生徒たちのための教育プログラム実施のために活用させていただこうと考えております。
どうか引き続き、母校、そして現役生徒たちに対するご支援、ご協力を何卒よろしくお願い申しあげます。

本日は、近畿双松会総会のご盛会、誠におめでとうございます。